住民税の「納期の特例」は納期限に注意

こんにちは!外注せずにご自身で経理を行いたい方をサポートする宝塚の会計事務所、「じぶんで経理」植田会計事務所です。

源泉所得税と同様、住民税にも天引きの制度があります

突然ですが、従業員の住民税について「特別徴収」を実施されていますか?
特別徴収とは、事業主(給与支払者)が従業員に給与を支払う際、給与から住民税を天引きし、納付する制度をいいます。
制度としては源泉所得税と似ていますね?
納期限が翌月10日という点も同じです。

しかし、源泉所得税は当月の給与総額から社会保険料を控除し、扶養人数に応じて税額が決まるのに対し、住民税の特別徴収はあからじめ市町が計算して税額が決まっている点が異なります。

なので、事業主としては毎月決められた税額を従業員の給与から天引きして納めるだけです。
通常はそれほど面倒な作業ではありません。

ところが、住民税を特別徴収している従業員が途中で退職するなど、従業員の「異動」が生じた場合はいちいち手続きを行わなければならないので手間がかかります。
特に1~4月に退職した場合の住民税一括徴収がネックですね。

手間がかかりますし、納付が遅れると罰則もあるので、住民税は従業員個人で納めてもらっている事業主の方も多いように感じます。
(天引きでなく、従業員個人が納める方式を「普通徴収」といいます)

平成30年度から特別徴収が徹底されます!

そんな住民税ですが、法律では特別徴収が原則です。
これまでは希望すれば普通徴収も認められて(?)いましたが、徴収強化が目的なのか、兵庫県と県内41の市町は平成30年度(平成30年4月~平成31年3月)から「個人住民税の特別徴収」を徹底することになっています。

普通徴収を選択できるケースが「5/31までの退職予定者」「住民税>給与手取額」「不定期給」「乙欄適用者」に限定されるなど、かなり強い感じで記載されています・・・。

※兵庫県「個人住民税特別徴収の事務手引き」より

「納期の特例」を選択すると納付は半年ごとの年2回になります

なるべく手間を省きたい方のために、源泉所得税と同様「納期の特例」を選択することもできます。
この納期の特例を申請して承認されれば、半年分の住民税をまとめて納付することができ、納付の手間が年12回から年2回に減らすことができます
従業員数が10人未満である個人事業主や小規模企業は、この納期の特例を申請すべきだと思いますが、納期限に注意が必要です。

住民税の方が源泉所得税よりも納期限が早い!

というのも「6~11月分」の納期限が12月10日、「12~5月分」の納期限が6月10日なのです。
お気付きでしょうか?
源泉所得税の納期限と微妙にズレていますよね?
※源泉所得税の納期の特例は「7~12月分」の納期限が1月20日、「1~6月分」の納期限が7月10日です。
源泉所得税の納期の特例よりも納期限が約1カ月早いので、その点ご注意ください。

なお、納期の特例承認を受けるための申請書は共通のものが兵庫県のHPからダウンロードできます。
兵庫県 納期特例申請書(エクセル)

また、宝塚市でも独自の申請書を用意していますが、窓口の方によりますと他市町の申請書を使用している場合でも受け付ける方針だそうなので、あえて取りに行く必要は無さそうです(※宝塚市の場合のみ口頭で確認しております。他の市町の取り扱いは不明なので必ずご自身でご確認ください)。
宝塚市 特別徴収市県民税納期の特例に関する承認の申請書

今まで普通徴収で続けてこられた事業主の方にとっては事務の手間が増えることになりますが、せめて納期の特例などを利用して事務を削減してください。
5月中旬までに申請すれば、6~11月分(納期限12月10日)の承認に間に合うとのことです。

なお、納付の遅れなどによるペナルティは事業主の方の負担となりますので、これからは源泉所得税と住民税は常にセットで発生するものと心掛けてみてください。

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