青色決算書で使用すべき勘定科目とは?

こんにちは!外注せずにご自身で経理を行いたい方をサポートする宝塚の会計事務所、「じぶんで経理」植田会計事務所です。

誰もが一度は迷う勘定科目の選択

今回は確定申告の話です。
もうすぐ2017年、平成29年分の確定申告がスタートしますが、皆さんは青色決算書の勘定科目として、何種類くらいの勘定科目を使用されていますか?

私が見る限り、最初からある勘定科目のみで処理されている方もいれば、ご自身で必要な勘定科目を作成して処理されている方など、ひとりひとり異なる方法を採用されています。

人によって方法が異なる原因は、勘定科目の選択について決まったルールが存在していないためだと考えられます。

例えば「銀行振り込み時の手数料」。
使用する勘定科目は「支払手数料」であったり、「雑費」であったり、または「仕入」や「消耗品費」など振り込む元となった勘定科目に含めてしまうなど様々です。
どれを使用しても不正解、ということはありませんが、経理を楽にしたい方には抑えておいていただきたいポイントがあります。

勘定科目の数はできるだけ少なく

経理を楽にするためのポイント。
それは「勘定科目の数を少なくする」ことです。
「な〜んだ、そんなことか」「あたりまえ」なんて思わないでください(汗)
経理に時間がかかって困る!という方の青色決算書を拝見すると、「こんなに分けなくていいのに」というくらい勘定科目が細かく設定しているケースが多いのです。

中には車関係の事業ではないのに、「車両修繕費」「車両消耗品費」「車両諸費」など、かなり細分化されている方も・・・。

では具体的にどの程度まで勘定科目の数を少なくできるのか、消費税の免税事業者を前提に考えてみましょう。

まず、収入の勘定科目は必要なので「売上高」は使用します。
「その他の収入」や「雑収入」も売上高で統一し、売上の返品や値引も売上から直接マイナスして、全て売上高で処理します。

次に売上原価関係。
棚卸がある事業なら「期首商品棚卸高」と「仕入高」、「期末商品棚卸高」は必要です。
仕入の返品や値引は仕入から直接マイナスして、全て仕入高で処理します。

経費は「租税公課」「旅費交通費」「消耗品費」「通信費」「水道光熱費」「給与手当」「地代家賃」「支払利息割引料」「減価償却費」くらいには分けておき、それ以外は全て「雑費」で処理します。
なお、人によって使用する勘定科目は分かれますが、「ガソリン代」や「車検代」は消耗品費、「携帯電話料」「切手・郵便・宅配便」は通信費、「振り込み手数料」「税理士等士業への報酬」は雑費で処理します。

さらに経費のうち「金額の合計が数千円しかない支出」は重要性が低いと考えられるため、雑費に含めて処理します。
「金額が少なく、支出回数が年に1〜2回」という支出も同様です。
そうすることで、翌年からは「この支出はわざわざ勘定科目を設定する支出ではないな」と判断できるようになります。

しかし、摘要はしっかりと

勘定科目の数は少なくする方が経理が楽になりますが、摘要はしっかりと記載するようにします。
ここでいう「しっかり」とは「詳細に」という意味ではなく、「後から見て内容が分かるように」ということです。

「消耗品費500円」では何の支出か分かりませんが、「消耗品費500円 ガソリン代」と処理しておけば領収書を見なくても内容が分かりますよね?

エクセルや会計ソフトを使って処理する場合は、あらかじめよく使用する摘要を登録しておくと、より処理が楽になります。

経理は楽に行うことが重要ですが、後から見返して内容が分からないようでは、経営分析にも税務調査にも役に立ちません。
勘定科目は少なくしつつも、二度手間にならないよう、摘要の記載は工夫しましょう。

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