月別アーカイブ: 2017年10月

なぜクラウド会計が必要なのか?

植田会計事務所が推進するスマホ経理ですが、その前提はクラウド会計を利用することとなっています。
植田会計事務所は弥生をお勧めしているので、具体的には「弥生会計オンライン」や「やよいの青色申告オンライン」、それから「やよいの給与明細オンライン」ということになります。

こういったクラウド会計の利用をなぜ推進するのか?
単に時流に乗っているわけではありません。
クラウド会計の利用は情報消失のリスクを軽減することになるからです。

情報消失という致命的なリスク

皆さんは会社で使用するPCが動かなくなった、または調子が悪くなったのでバックアップからデータを復元した、という経験はありませんか?

私の事務所では年に1〜2回はPCの調子が悪くなります。
それも、年末調整や確定申告といったPCをフル使用する時期に限って調子が悪くなることが多いです。
(フル使用するから調子が悪くなるのかもしれませんが・・・)

そんな場合でも、PC本体は最悪買い替えれば済む話です。
しかし会計データや申告データといった情報は、何としてでも確保する必要があります。
紙媒体で保管していない限り替えがききませんし、紙媒体で保管していたとしてもその復元にはかなりの時間と労力を費やすことになります。

小規模企業はクラウドをデータ保管方法のひとつとして利用すべき

そこでクラウド会計の出番です。
クラウド上にデータを残しておけば、クラウドのサービスを提供している企業がデータを保管してくれます。
データの保管も、素人があれこれ対策するより専門の業者に任せてしまった方が確実で労力もかかりません。

なお、会計に限らず、クラウドを利用すると「情報流出のリスクがあるのでは?」という意見もよく聞かれます。
(これを理由に、国税の電子申告を未だに行わない税理士事務所もありますね・・・)
確かにそのリスクはあるかもしれませんが、それよりも情報消失の方がはるかに発生する確率が高く、ダメージも大きいのではないでしょうか?

こうしたクラウド会計のメリット・デメリットを総合的に勘案すると、クラウド会計は小規模企業の情報消失リスクを防ぐ効果的な方法のひとつであると言えます。

ただし、クラウドはあくまで方法の「ひとつ」です。
リスクを軽減する原則は「複数媒体での保管」であることを忘れてはいけません。
クラウドでのデータ保管に加え、「紙媒体での保管」「PC内保管」も行うようにしましょう。
こうした少しずつの手間が、情報消失を防ぐ保険になるのです。

続 売掛金の入金をスマホから登録する方法

表題のとおり、ずっと考えてきた弥生オンラインにおける売掛入金をスマホで登録する方法の続報です。
新しい方法を発見しました!
というか、なぜこの方法をすぐに思いつかなかったのか・・・。

売掛入金用の科目を設定する

結論からお伝えすると、弥生オンラインにPCからログインして「収益(または売上)」に売掛入金用の科目を設定するだけです。
これで100%目的を達成できるわけではありませんが、以前お伝えした他の科目を代用する方法よりも本来の仕訳に近いものが登録できます。

実際の手順は次のとおりです。
① 弥生オンラインにログイン
② 「設定メニュー」から「科目の設定」を選択
③ 「収益(または売上)」のタブから「科目を追加」選択
④ 科目名を「売掛金入金」などと入力し、「取引の入力で表示」にチェックが入っていることを確認してから「登録」をクリック

これでスマホ版を開くと、設定した科目が「収入」で選択できるようになっています。

具体的な取引の登録方法は?

例えば個人事業主の方について、売掛金10,800円、その内源泉所得税1,021円の振込入金があった場合、取引の登録方法は次のようになります。
① 収入「売掛金入金」を選択して次へ
② 取引先を入力するか既存のものから選択して次へ
③ 金額10,800円を入力して次へ
④ 「うち源泉所得税」をオン
⑤ デフォルトでは源泉所得税は税込価額の10.21%が計算されるので、それを1,021円に訂正して登録

やっぱりPCからの訂正は必要

しかし、このままだと「売掛金入金」という科目は収入として計算され、利益が二重計上されてしまうので、弥生オンラインにPCからログインした際に「売掛金入金」を本来の「売掛金」に訂正します。
補助科目の設定もお忘れなく。

もしかすると「それなら売掛金という科目そのものを設定すれば良いのでは?」と考えられる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、売掛金という科目はすでに「流動資産」に登録されています。
これと同じ名前の売掛金を「売上」に登録することはできません。
登録しようとすると「既に登録済みの科目名(売掛金)を登録することはできません」というエラーメッセージが表示されます。

負債科目にも応用できます!

買掛金や未払金の支払いをスマホから登録するために「買掛金支払」や「未払金支払」などの科目を「売上原価(または仕入)」または「費用等(または経費)」に設定すると、売掛金と同じくPCでの訂正が楽になります。

訂正が必要という点では今までの方法と変わりがありませんが、今回の方法は「代用する科目を自分好みのものにできる」という点に特色があります。
毎度のことですが、弥生の開発チームにはさらなる改良を望みつつ、皆様はぜひ今回の方法をお試しください。

スマホから弥生会計オンラインにログインするとどうなるのか?

スマホからクラウド会計ソフトにログインするとどうなるのか?

スマホで経理を行なっている方、その中でも「弥生会計オンライン」や「やよいの青色申告オンライン」を使用されている方なら当然湧いてくる疑問です。

私のブログでも度々「弥生のスマホアプリではできない処理があるので、必ずオンライン版にログインする必要がある」と述べてきました。

しかし、オンライン版はwebサイト上に存在します。
そして、スマホはPCと同様のwebサイトにアクセスすることができます。
ならば、ひょっとしてスマホからログインするとオンライン版をそのまま使えるのでは・・・?
そう考え、実際にスマホからログインしてみました。

ログインすることは可能です。
画面左側に表示された仕訳入力やレポートを選択することもできます。
が、メニュー以外の表示がうまくいきません。
やはり画面の大きさが違いすぎるため、表示できない部分がかなり出てきます。
なんとか動かして取引を登録することもできましたが、実用には程遠い状態です。

弥生のサポートにも質問してみましたが、オンライン版はPCでの使用を前提としており、モバイルには対応していないとのことです。

残念ですね〜。
表示が小さくてもPCと同じ表示さえできれば、経理を全てスマホで完結することができるのですが、できないものは仕方ありません。
いつかはスマホで経理を完結できることを願いつつ(弥生に要望も出しておきました)、植田会計事務所は可能な限り経理をスマホで進められる方法を模索し続けます。