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代表取締役の異動届をe-taxで行っていますか?

こんにちは!外注せずにご自身で経理を行いたい方をサポートする宝塚の会計事務所、「じぶんで経理」植田会計事務所です。

最近の植田会計事務所では、なぜか「代表取締役の異動届」作成業務が続いています。
法人の代表取締役が就任や退任した場合、税務署などへ異動があったことを報告しなければならず、その報告に使用するのがこの「代表取締役の異動届」です。

実務上、税務署へ届出する事項で最も多いのは、この「代表取締役の異動届」ではないでしょうか?
植田会計事務所では、この「代表取締役の異動届」も当然電子により届け出ております。

今回は「代表取締役の異動届」を電子届出する方法についてお伝えいたします。

税務署への届出は電子申告だけでは完結できない・・・!

異動届はe-taxソフト(ダウンロード版)で作成します。
ちなみにe-taxソフト(web版)では作成できませんのでご注意ください。

また、作成する際は「電子申告及び申請・届出による添付書類送付書」にもチェックを入れます。
なぜここにチェックを入れるのか・・・。
それは、e-taxによる異動届では添付書類をイメージデータとして送信することができないからです!

事前確定届出給与では株主総会議事録を添付できるのに、いちばん重宝されるであろう異動届で履歴事項証明書のイメージデータ添付ができないというのはなんだかなあ・・・という気がします。

できないことはしょうがないので、郵送するため↓のような添付書類送付書を作成しておきます。

届出書の電子申告が完了したら、メッセージボックスからメール詳細を確認します。
画像は小さくて分かりにくいと思いますが、「送付書表示」というボタンが押せるようになっています。
これをクリックすると・・・、

先ほど作成した送付書が表示されます。
先ほどと異なるのは、受付番号や利用者識別番号、受付日時など赤線の部分が表示されており、電子届出を行った異動届と「紐付き」の送付書となっていることです。
この紐付きの送付書を同封して添付書類を送ると、税務署側でもスムーズに受け入れ処理が行えるのです。

さて、異動届の作成はこれで終わりではありません。
まだ地方税の届出が残っています。

エルタックスによる異動届はすべてweb上で完結できます!

地方税のエルタックス(el-tax)は添付書類も電子届出が可能です!
e-taxに比べて操作性などに不満の多いエルタックスですが、ここだけはe-taxよりも優れていますね(^_^;)

なお、e-taxと異なり、地方税の異動届はエルタックスのダウンロード版「PCdesk」からは行えません!
これもe-taxは国税庁、エルタックスは総務省という縦割り行政の弊害なのでしょうか・・・?

以下はweb上のエルタックスでの操作方法について述べてることとします。

エルタックスのHPから「電子申請・届出」に進みます。

こちらをクリック。

次の画面で私は税理士なので下の「代理人」の方へ進みますが、税理士でない方がご自身の届出を行う場合は「ご自身」へ進みます。

なお、ご自身の届出を行う場合は利用者IDがなくても作成できますが、利用者IDがないと後に記載する「複写」が使えないので、利用者IDを取得しておかれることをお勧めいたします。

次の画面で利用者IDと暗証番号を入力してログイン。

提出先を選択します。
今回の提出先は「兵庫県」と「宝塚市」なので、まずは兵庫県分を作成します。
都道府県は「兵庫県」、地方公共団体も「兵庫県」を選択します。

「申請・届出書選択」では「法人二税・特別税の異動届」を選択します。
また、「区・事務所選択」では管轄の事務所を選択します。

ご自身の都道府県での管轄事務所は「都道府県名 県税事務所」などで検索して探します。
今回は兵庫県宝塚市の法人なので、「兵庫県 県税事務所」などで検索すると・・・、該当するページが見つかりました。

所在地が宝塚の法人を管轄する県税事務所は「伊丹」とあるので、伊丹県税事務所を選択することになります。

次の画面、利用規約に同意し、利用者情報を入力して「次へ」。

いよいよ「申請・届出書入力」ですが、私はこれが苦手です(^_^;)
なぜか?
実際に入力していただくと分かると思いますが、とにかく「お役所独特の入力」が多い!
通常の文書作成の感覚で入力してしまうと・・・
エラーの嵐!(汗)
なーんで数字まで全角で入力する必要があんねーん!?

・・・さて、エラーの訂正が終わったらこの画面を印刷しておきましょう。
これが都道府県に対する届出の控えとなります。

印刷ができたら、画面のいちばん下にある「添付資料を参照/追加する」をクリック。

「添付資料を追加する」をクリック。

添付資料名称は分かりやすい名前を付け、参照ボタンから該当するファイルを選択します。
添付ができたら「表示の内容で組み込む」で決定します。

なお、エルタックスの添付ファイルはサイズ制限が厳しいので、よくサイズ超過で添付を拒否されます(^_^;)
添付のサイズは4MBまで、とあるので「結構いけるやん?」と思いきや、
「4MBまでとなります。但し、申請書の容量と合わせて4MBまでとなります。」
という不親切な制限なのでご注意ください。

サイズが超過するようでしたら、PDF作成ソフトなどで画質を落として添付できるまでサイズを調整しましょう。

このような表示が出たら添付が正常にできたことになります。

さて、添付も終わり、電子署名も完了すると電子届出が可能となりますが、すぐには送信せず、「申請・届出書を一時保存する」を選択します。

入力内容が保存されるので、この画面は印刷するかスクリーンショットなどで記憶しておきましょう。
最初の画面に戻るため、「申請・届出メニューへ」をクリック。

最初のメニュー画面に戻ったら「その他の操作」から「申請・届出書の一覧」をクリックします。

先ほど作成した都道府県への届出が出てくるので、これをチェックして「複写する」をクリック。

今度は市への届出を行うので、都道府県は「兵庫県」、地方公共団体は「宝塚市」を選択し、区・事務所選択は「宝塚市」を選択して「複写する」をクリック。

複写されたので「申請・届出書一覧へ」に進みます。

複写で新しく作成された宝塚市への届出書にチェックを入れて「照会・編集する」をクリック。

必要があれば届出の内容を追加したり、修正します。
また、この画面も市への届出の控えとして必要になるので印刷しておきます。

作成完了したら、こちらにも電子署名しておきます。
今回も私はすぐに送信せず、「申請・届出書を一時保存する」を選択します。

保存できたら「申請・届出書一覧へ」をクリック。

送信してしまうと後から修正や印刷ができないので、一度この画面でやり残したことがないかよく考えてからそれぞれの届出書にチェックを入れて「送信する」をクリック。

送信が完了したら↓の送信結果を確認します。

「結果」の欄が「正常」ならこれで届出は完了です。
この送信結果も忘れず印刷し、先ほど印刷した県と市の届出書と一緒に保管しましょう。

これで代表取締役の異動届の電子届出は完了です。

利用環境の確認をしないと膨大な時間をロスすることに

異動の届出に関してはエルタックスの方が便利ですね。
ただし、エルタックスの場合、web版の宿命としてエラーが発生すると今まで入力した内容がすべて消えてしまうので、パソコン環境やIEの設定など利用環境の確認は必ず行っておきましょう。

所得税の予定納税額を減額する届出はe-taxソフトから行えます

こんにちは!外注せずにご自身で経理を行いたい方をサポートする宝塚の会計事務所、「じぶんで経理」植田会計事務所です。

7月はいくつかの税金に関するイベントが続く月です。
まずは、10日までに納める「源泉所得税納期の特例」。
続いて、これも10日までに納める「年度替わり後最初の住民税特別徴収の納付」。
そして、末日までに納める「第1期分所得税予定納税」。

今回は「今年から所得が下がるのに、去年と同じ税額の納付書が届いた!」とか「事業を廃止したのにまだ予定納税をしなければならないの?」という方向けの記事です。

届出をしないと税額が減少することはありません!

毎年7月頃になると、お客様から「高額な予定納税の納付書が届いた!」というご連絡をいただきます。
「今年は所得が下がるから無視してもいいよね?」というご質問もいただきますが、やはり無視はいけません!(^_^;)

所得税の予定納税は前年の税額から機械的に金額を計算しているだけなので、今年は所得が下がるとしても、こちらから税務署へ届出を行わないことには減額のしようがありません

その届出は「所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請書」といいます。
所得が下がる方または廃業された方なら、予定納税額が減額またはゼロとなります。

それではe-taxソフトからその減額申請書を提出してみましょう。

まずは届出をする方のファイルを開きます。
メニューの「作成」から「申告・申請等」を選んで「新規作成」をクリック。

「申請・届出」を選択し、税目は「所得税」を選んで、次へ。

帳票は「所得税及び復興特別所得税の予定納税額の減額申請」から「所得税及び復興特別所得税の予定納税額の7月(11月)減額申請書」にチェックを入れて次へ。

「申告・申請等名」は任意のデータ名を登録します。

私は大抵「作成年月日+帳票名」としていますが、少なくとも具体的な帳票名は入れておいた方が良いでしょう。

そうすると、メニューの作成を開いたときに「何の届出を作成したか」すぐに分かるようになります。
これが、例えば日付だけだと「20180704 所得税 申請・届出書 ・・・」という表示になってしまい、いちいちファイルを開かないと何の届出なのか確認できなくなります。

基本情報では提出の日付を入力し、登録された情報に間違いがなければ「OK」。

作成する帳票のデータができたので「帳票編集」をクリック。

いよいよ届出書の記入です

ここではまず「通知を受けた金額」に予定納税の通知書に記載された金額をそのまま入力します。
申請金額は後から入力します。

1「減額申請の理由」は該当する項目にチェックを入れます。
今回は「廃業」した場合で申請するので、廃業の項目にチェックを入れます。

そしてその下、2 には減額申請を行う具体的理由を記載します。
廃業の場合は分かりやすいですね。
廃業ではなく、売上の激減や高額な経費の支出が理由の場合は、その旨を記載します。
あまり難しく考える必要はありません、税務署が「そりゃあ所得が下がるな」と分かるよう、事実を記載するだけです。

3 の添付書類はその「理由」の裏付けとなる資料を記載します。
廃業の場合は既に廃業届を提出しているはずなので、特に必要ありません。

それ以外の場合は、現時点(6月末時点)で所得が減少傾向にあるなら1~6月分の試算表、年末までに大口取引先との契約の解除や高額な経費の支出が予定されている場合はその通知書や見積書などを試算表とともに添付しましょう。

こう記載すると「試算表なんて作っていない場合はどうすればいいんだよ?」という声が聞こえてきそうです。
しかし、逆に試算表を作成してもいないのになぜ所得が下がると分かるのでしょうか?
「感覚で分かる!」「お金が減っているから」などの意見も分かりますが、税務署もそれでは受け付けられません。
※そんなアバウトな理由で受け付けたら、受け付けた職員は上司に怒られます・・・(^_^;)

きちんと申請が通るように、試算表は作成しておきましょう。


さて、1~3では減額申請の理由を記載しましたが、ここからは「じゃあその理由で所得がいくらになるのか」を計算します。

①~⑦は予想所得を入力します。

「所得から差し引かれる金額」は去年の申告書を見ながら入力します。
特に動きがないなら、去年の金額をそのまま入力すればOKです。

なお、基礎控除は「380,000」を忘れず入力しましょう
※確定申告書や他の用紙でもそうですが、この基礎控除を空欄にしておく必要ってあるんでしょうか?絶対に控除できる金額なので最初から記載しておいてもよさそうなものですが・・・?

税額は国税庁のHPなどを参考に計算します。
国税庁:所得税の税率

「所得税に係る源泉徴収税額」は、給与や年金の源泉徴収しかない方は金額に大きな変動がない限り前年と同じ金額を入力すればよいでしょう。

事業所得で、源泉徴収があるような売上が減少する場合は、例えば減少する売上と同じ割合だけ減少させた金額を入力します。

「申告納税見積額」は自動計算です。
「15万円未満のときは0と入力してください。」とありますが、見積税額が15万円未満の場合は自動的に0と表示されます。

さあ、こうして計算された見積税額と予定納税額(第1期分、第2期分)を先ほどの「申請金額」の箇所に入力してください。

作成が完了したら「印刷」をクリックしてこの画面を印刷しておきます。
印刷ができたら「作成完了」。

次は電子申告です。
まずはメニューの「署名可能一覧へ」から「電子署名」をクリック。
先程作成したデータを選択して「署名」。

「ICカードを利用」を選択して「次へ」。

使用する電子証明書がどのタイプか選びます。
私は税理士なので税理士用の証明書を選択します。

内容に問題なければ「OK」。

暗証番号(PIN)を入力して「OK」。

署名が完了しました!
「OK」で次へ進みます。

いよいよ送信です。
メニューから「送信可能一覧へ」をクリックして、先程の署名したデータを選択して「送信」をクリック。


もちろん「OK」です。

送信を行う方の利用者識別番号と暗証番号を入力して「OK」をクリックするとすぐに送信が開始します。
税理士が代理で送信する場合は税理士の利用者識別番号と暗証番号で送信します。

即時通知が出ました。
以前の投稿でも述べましたが、私はエラー情報さえ表示されていなければこの即時通知は印刷せずにメッセージボックスの確認へ行きます。

メニューの「メッセージボックス」からさらに「メッセージボックス」をクリックすると、過去に届いているメッセージの一番上に、先ほど電子申告した届出のメッセージが届いています。
そのメールを選択して「詳細表示」をクリック。

メール詳細です。
「印刷」をクリックして、先程印刷した届出書と一緒に保管してください。
これで所得税等の予定納税額減額申請書の届出は完了です。

ちなみに「印刷」を押すと「プリンタの選択」も「プレビュー」も選ぶことなく、いきなり印刷が開始されます。
「このメール詳細は3枚印刷しよう・・・」と思ったときは印刷ボタンを3回クリックすることになります。

ほかの届出作成画面などではちゃんとプリンタの選択や枚数の設定ができるのに、なぜかこの画面ではできないんですけどなんなんでしょうね・・・(^_^;)

最後に注意事項!

平成30年は届出の期限が7月17日(火)となっています。
また、見落としがちなのですが7月の土・日・祝日はe-taxが動いていません!

【2020年7月1日追記:現在は土日祝も稼働しております。詳しくは下記↓利用可能時間をご確認ください】
国税庁:e-taxの利用可能時間

このことに14日(土)に気付くと17日(火)まで待ち続けることになってしまいます。
作成したけど送信を忘れていた!なんてことの無いように、届出はお早めに!

e-taxソフト(WEB版)から源泉所得税納付書を作成していみる

こんにちは!外注せずにご自身で経理を行いたい方をサポートする宝塚の会計事務所、「じぶんで経理」植田会計事務所です。

源泉所得税納期の特例の時期、ということで引き続き源泉所得税の話題です。

今回は源泉所得税が発生するほどの給与は支払っていないので「納付額がゼロになる」という方向けです。
そのような方はパソコンの操作だけで全ての手続きが完了するので、ぜひe-taxからの源泉所得税の申告にチャレンジしてみてください。

まずは利用条件を設定します

e-taxのHPへ行き、「e-taxソフト(WEB版)」を選択。


電子申告の利用者識別番号をお持ちの場合は「ログイン」へ。

※これがないとe-tax関係はすべて使用することができません。

利用者識別番号と暗証番号を入力して「ログイン」。


「申告・申請・納税」をクリック。


新規作成から「操作に進む」をクリック。

徴収高計算書を提出する、から「給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(納期特例分)」をクリック。


「代理送信」は私たち税理士がお客様に代わって代理で申告する際に選択する項目です。
なので、ご自身の申告を行う場合は「3.本人送信」を選択して「次へ」をクリックします。

提出先税務署等は、通常利用者情報で登録した都道府県と提出先税務署があらかじめ表示されます。
変更がなければそのまま「次へ」をクリック。

紙の納付書に記載する場合と同じ内容を入力

さあ、ようやく納付書の作成です。
納付書の正式名称は「給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書」といいます。

まずは「納期等の区分」です。
今回なら通常は「平成30年1月」から「平成30年6月」ですね。
ちなみに(自)は起点を(至)は終点や到達点を表します。

次に作成する区分は使用するものだけチェックを入れておきます。
全部チェックを入れても構いませんが、チェックを入れた分は必ず入力を求められるため、手間を減らすためにも必要な分だけにしておきましょう。

さきほど選択した区分の入力です。
「支払年月日」は1~6月の間で、最初に支払った日付と最後に支払った日付を入力します。

なお、実際の支払日だと土日祝の影響などもあって確認が手間であるため、私の場合は「支給予定日」を入力しています
正しくはありませんが、特に問題にもならない箇所のはずです・・・?
※「賞与」「役員賞与」は実際の支給日を入力しましょう。これは決算賞与や事前確定届出給与といった、税務上論点となりやすいものに関係するためです。

左下の「所得税徴収高計算書用紙の送付の要否」は、「要」にチェックを入れると年末に税務署から送られてくる年末調整関係書類に納付書が同封されます。
用紙が余っている方や紙での納付をやめられる方は「否」にチェックを入れましょう。


入力内容の確認です。
紙の納付書とほぼ同じですね。
この画面は再表示できないので、印刷するかPDFなどで保存しておきましょう。
問題なければ「次へ」をクリック。

送信前の確認です。
電子署名は不要です。
ここで「送信」をクリックすると最後の確認が行われます。

これが最後の確認です。
もちろん「はい」をクリック。


送信が完了しました!

この画面は「即時通知」と呼ばれるものです。
電子申告に共通の手順なのですが、電子申告を行うとまず「即時通知」が表示され、何も問題なければ次に「受信通知」が届きます。

で、この即時通知について「~印刷又は保存を行ってください~」とあるのですが、私は即時通知は原則として印刷していません
というのもエラーが生じていればエラー情報にその旨が表示されますし、エラーがなければ受信通知がほぼタイムラグなしで届くので、保存するだけ無駄になるんですよね~。

というわけですぐに「受信通知の確認」をクリックします。

 

受信通知は大事です。
この画面は印刷するかPDFで保存し、先ほどの納付書イメージの分と一緒に保管しておきましょう。

納付額はゼロのはずなので、これで源泉所得税の電子申告は完了です。
お疲れ様でした!

源泉所得税納期の特例の時期だけど何をすればいいの?

こんにちは!外注せずにご自身で経理を行いたい方をサポートする宝塚の会計事務所、「じぶんで経理」植田会計事務所です。

源泉所得税納期の特例、皆さん申請していますか?

毎年7月と1月は多くの小規模企業にとって、半年に1回、源泉所得税納付の時期ですよね?

なぜ疑問形なのかというと、どれくらいの数の企業が「源泉所得税納期の特例」の承認を受けているか分からないためです。

探しても統計など出てこないのですが、今までの私の経験上、個人だろうが法人だろうが「開業届」「青色申告承認申請」「給与支払事務所開設届」と「源泉所得税納期の特例承認申請書」はセットで出しているため、小規模企業=納期の特例を申請しているというイメージがあります。

このイメージが合っているかは分かりませんが、人的資源が限られる小規模企業では源泉所得税を納付するために毎月納付書を作成して銀行に走るよりも、半年に1回まとめて源泉所得税を納付することにして、手間を削減するべきだと思います。

「納期の特例」とは

事業主が従業員に支払う給与などから源泉徴収する所得税は「支払いの際に天引き」して、「天引きした月の翌月10日までに納付」することになります。

なので、支給日が月末に近いほど、納付までの期間が短いことになります。
例えば1/31支給の場合は源泉所得税を2/10までに納めるので、支給~納期限までの期間は10日となります。

これが1/10支給の場合は納期限は2/10なので、支給~納期限までの期間は31日あることになります。

また、今回の本題でもある「源泉所得税納期の特例」の承認を受けている場合は、毎年1~6月に天引きした源泉所得税は7/10に、7~12月に天引きした源泉所得税は年末調整の加減算を加えて翌年1/20に納めれば良いことになっています。

そうすると1/10に支給した給与に係る源泉所得税は7/10の納付まで6カ月間も手元に残しておくことになります

金額によっては資金繰りに影響しそうですね・・・?

そんなに期間があるとついつい他の用途に使ってしまいそう・・・という方はさっさと納付してしまいましょう。
納期の特例の承認を受けていても、途中で納付することはできます。
例えば1~3月の源泉所得税を納付する場合は納付書の記載も1~3月分の金額のみを記載して納付すれば問題ありません。

源泉所得税は従業員の方などから預かる税金です。
くれぐれも事業主の資金と混同しないように気を付けましょう!

それではどんな資料を集めれば良いの?

納期の特例の納付書に記載する内容は、一般的な小規模企業なら「1~6月中に支給した給与、賞与退職金、税理士等の報酬」です。

なので、1~6月中の給与明細、賞与明細、退職金明細を用意するとともに、1~6月中に支払った税理士や司法書士、行政書士、弁護士、建築士など、主に「士」が付く個人に対する支払いがいくらあったのかを調べます(通常は源泉所得税を控除した金額で支払いますので、支払額+源泉所得税を調べてください)。
※税理士法人や司法書士法人など、法人に対する支払いでは源泉所得税が控除されませんので調べる必要はありません。

記載方法はリンク先のとおりですが、分かりにくい箇所は画像に書き込みましたので参考にしてください。
国税庁:給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(納付書)の記載例

税額がゼロの場合は何もしなくていいの?

合計額に金額がある場合は銀行窓口税務署の受付へ納付書を持って行って納付します。
控えは必ず受取り、事業所で保管しましょう。

なお、給与などの金額によっては税額が発生せず、合計額がゼロとなることがあります。
その場合は合計額に「¥0」と記載した納付書を所轄の税務署に持って行くか郵送してください。
そうでないと税務署は、その事業所で給与等の支払いがあったのかどうか把握できません。

税額がゼロで税務署へ郵送した場合は、必要な切手を貼った返信用封筒を同封してください。
控えに領収印が押された控えが戻って来ます。

届出の添付書類をイメージデータで送信してみる

こんにちは!外注せずにご自身で経理を行いたい方をサポートする宝塚の会計事務所、「じぶんで経理」植田会計事務所です。

事前確定届出給与の添付書類をイメージデータで送信してみる

事前確定届出給与の届出をご存じですか?

通常なら損金に算入できない法人役員に対する賞与を、損金に算入できるようにするために必要な手続きです。

届出自体はe-taxで行えるのですが、添付書類である定時株主総会議事録は今まで別途郵送で提出していました。

実は、事前確定届出給与の添付書類である定時株主総会議事録はイメージデータ送信、つまりインターネットを利用したデータでの提出が可能です。
届出はe-taxで行っているのに、その添付書類を別途郵送するのも面倒なので、今回はe-taxソフトからイメージデータ添付を利用して送信してみます。

今回は電子届出を行った後から行う「追加送信」のやり方です

まずはe-taxソフトで事前確定届出給与を作成し、普通に電子届出しておきます。
(ところでこの投稿ではe-taxでの届出を「電子届出」としています。申告は「電子申告」、申請は「電子申請」なので使い方は合っている思うのですが、未だにe-taxの公式HPで「電子届出」なる名称を見たことがないので・・・。念のため)

あらかじめ添付するイメージデータを作成しておけば、届出書の電子届出と同時に添付して送信することができますが、今回は「とりあえず届出を先に出しておいて」「後から添付書類をイメージデータ送信」という流れです。

まずはメニューの「作成」から「新規作成」を選択。

手続の種類は「申請・届出」、税目は「法人税」を選択して「次へ」。


法人税関係の帳票の一番下に「イメージ添付書類(法人税関係)」があるので、ここの「添付書類送付書」にチェックを入れて「次へ」。


基本情報を入力して進むと、下図のような帳票が表示されます。
今回は事前確定届出給与に関する添付書類の提出なので、手続名は「事前確定届出給与」と記入します。
記入できたら「添付書類(PDF)の組み込み」をクリック。
※添付できる書類は「PDF形式」のみです。

添付するファイルを選択し、添付する書類の名称を入力して「OK」。
この作成したデータに署名すれば、送信するイメージデータの作成は完了です。

※作成後は必ず「署名」を付与してください。署名がないと送信できません。

メニューのメッセージボックスからイメージデータを添付したいメールを選択し、「イメージ送信」をクリック。


先程のイメージデータが選択できるのでクリックして青く反転させてから「OK」。


確認メッセージではもちろん「はい」を選択して送信完了です。


メッセージボックスを確認すると、ちゃんと事前確定届出給与の届出の後に、イメージ添付書類が送られていることが分かります。

まとめ

イメージデータ送信はやっていて本当に便利になったな~とは思うものの、まだまだメールのファイル添付のように手軽にできるわけではありません

しかし、今後も添付書類の提出がイメージデータで行えるようになる流れは変わらないと思いますので、この手間が軽減されることは期待できます。

できれば添付ファイルの作成過程を無くし、メール詳細からすぐにイメージデータを添付できるようになれば良いのですがね?

なお、イメージデータでの提出ができる書類は限定されています
必ずイメージデータでの提出が可能な添付書類なのかを確認してからイメージデータ送信を行ってください。
http://www.e-tax.nta.go.jp/tetsuzuki/tetsuzuki6.htm#Link3
※国税庁HP「イメージデータにより提出可能な添付書類」へジャンプします。

はじめての納税証明書

こんにちは!外注せずにご自身で経理を行いたい方をサポートする宝塚の会計事務所、「じぶんで経理」植田会計事務所です。

先日、とある理由により納税証明書を取ることになりました。

お客様から聞かれた際は「税務署の受付で取れますよ〜」と回答していましたが、実は自分の分は取ったことがなかったんですよね・・・。

そんなわけで今回は納税証明書の交付を受ける際、気付いたことをお伝えいたします。

納税証明書の交付はオンラインでの申請もできます

まずは納税証明書について国税庁のHPを確認。
必要書類を確認していると、「便利なオンラインでの請求をぜひご利用ください」との文章が・・・。

これは情報化を推進する会計事務所としては選択すべきところです。
が、今回は時間の都合上あきらめて通常の窓口申請にしておきました・・・
オンライン申請についてはまた別の機会にお伝えいたします。

ひとつだけ注意点を挙げると、「利用者情報の登録」を事前に行っておかないと、納税証明書をオンラインで申請するための画面には進むことができません。
登録は「必須」以外の項目も全て入力しておくと、後から入力する必要がないので便利ですよ。


※利用者情報を登録していないとオンライン申請のためのボタンがグレーになっており、クリックできなくなっています。

納税証明書の交付請求前に詳細を確認しておきましょう

さて、本題の納税証明書ですが、請求は自分の納税地を所轄する税務署に対して行うことになります。
私の場合は宝塚市の事務所が納税地なので、西宮税務署が所轄の税務署となります。

納税証明書には「その1~4」まで種類があり、それぞれ証明する内容が異なります。

事前に納税証明書を必要とする相手に「どの種類の納税証明書が必要なのか」「何年分(法人ならどの事業年度分)の納税証明書が必要なのか」をよく確認しておきましょう。
この辺をあいまいなまま税務署へ行くと、大きく時間をロスする可能性があります。

また、できれば税務署へ行く前に受付に電話し、納税証明書の交付申請に必要なものを確認しておくと完璧です。
税務署に電話して交換の方に「納税証明書の交付について」と伝えると受付(大抵は管理部門だと思います)に回してくれます。
ここで納税証明書の交付に必要な本人確認書類などを教えてもらいましょう。
「本人」が窓口に来るのか、「代理人」が窓口に来るのかで書類が異なってきます。

「証明を受けようとする事項」で迷う

大抵の税務署は1階に受付(「総合受付」という名称が多いと思います)がありますので、受付に「納税証明書を取りに来た」と伝えて用紙をもらうか、受付近くのカウンターに備えている用紙に必要事項を記載して受付へ提出しましょう。
http://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nozei-shomei/pdf/01-1_2.pdf
※国税庁:納税証明書交付請求書用紙

今回は「その1」の所得税について納税証明書を請求しましたが、「証明を受けようとする事項」で少々迷いました。

その1には「納付すべき税額」「納付済額」「未納税額」が表示されますが、これら以外に表示を選択できる項目として「法定納期限等」「源泉徴収税額」「未納税額のみ」があります。

法廷納期限等と源泉徴収税額はいいのですが、問題は「未納税額のみ」です。
もしかしてこれにチェックを入れると「納付すべき税額」や「納付済額」が表示されなくなるのか?と思い聞いてみると・・・
「はい、そうです。未納税額のみが表示され、それ以外は表示されません
とのご回答。

また、未納税額がない場合はそもそも証明書自体が出せないとのこと。

正直どんな場面で使用するのか想像できませんが、通常はこれら選択項目はチェックを入れず、入れるとしても法定納期限等と源泉徴収税額だけということですね。

そして交付された納税証明書がこちら↓

今回は「法定納期限等」と「源泉徴収税額」にチェックを入れて請求してみました。

法定納期限等はチェックを入れていても、未納税額がゼロの場合などにはアスタリスクで表示されることがあるとのことです。

交付の手数料は「所得税」×「2年分」×400円=800円でした。
手数料は受付の窓口で現金で払います。

当日は空いていましたが、15分程度は待ちました。
混んでいる場合はもっと待つことも想定して、納税証明書の交付申請には時間に余裕を持って行くようにしましょう。

法人成りの相談をされていますか?

こんにちは!外注せずにご自身で経理を行いたい方をサポートする宝塚の会計事務所、「じぶんで経理」植田会計事務所です。

法人成りの判断基準は売上高?

個人で事業を続けて行く途中、規模が大きくなり、利益が増えてくると必ず考えなくてはならないのが「法人成り」です。

法人成りの判断の目安として「売上高が×××万円を超えたら」とか「所得金額が×××万円を超えたら」など様々な説がありますが、実際は個人事業主それぞれで条件が異なるため、個々に判断する必要があります

そのために必ず必要なのが「法人成りのシミュレーション」。

業務内容は現在と同じでも、組織形態を個人→法人とした場合、どのような影響が生じるのか最低でも2パターンは考えます。

もちろん、その影響とは税金だけではありません。

社会保険の負担もかなり大きくなりますし、銀行口座は法人名義に変わります。

それでもやっぱり税金の影響が大きい

とはいえ、法人成りを考えるということはまず節税を意識されている場合が多いと思います。

最近の国の方針は「法人は減税」「個人は増税」となっているので、税金の負担が大きいときは法人成りして節税することも事業の継続を考える上で重要になります。

実際に法人成りのシミュレーションを行う場合は「法人税」「所得税」「社会保険」「労働保険」「会社法」の知識が必要になります。

法人税の負担を減らすために給与を高く設定すると、今度は所得税や社会保険料の負担が大きくなります。

また、法人は社会保険に加入する義務があるので、被保険者資格の取得や喪失、算定基礎・賞与の届出など事務手続きが煩雑になります。

法人の目的・役員などに異動があれば法務局で変更の登記をしなければなりません。

法人成りはメリットも多いですが、判断することや事務手続きが増加するというデメリットもあわせて考える必要があります。

法人成りは専門家に相談することをお勧めします

そう考えると、法人成りについて一般の方が判断できることには限界があるのではないでしょうか。

法人成りの経験がある方に相談するという選択もありますが、法人成りによる効果はケースバイケースなので、自分にも当てはまるとは限りません。

やはり、法人成りに詳しい専門家に相談することをお勧めします

そして、個人事業主に最も身近な専門家といえば税理士ですよね!

今、申告を依頼している税理士がいる場合はその税理士に相談してみてください。

間違っても「ある程度規模が大きくなれば、税理士の方から法人成りを提案してくれるだろう!」なんて考えていてはいけません。

法人成りのタイミングを逃してしまうかも知れませんよ?

法人成りを意識したときは、自分から「事業を法人にして展開することを考えているが、その場合の影響を調べてください!」と税理士に伝えていただければ、きっとシミュレーションを出してくれるはずです。

また、依頼している税理士がいない場合は知り合いが依頼している税理士や近所の税理士へ問い合わせしてみてください。

税理士の方針にもよりますが、シミュレーションのみの相談にも応じてくれるはずです。

もちろん植田会計事務所でも「法人成りのシミュレーションのみ」のご相談を受け付けています

法人成りの相談をすれば何かしらの成果はあるはず

たとえ相談の結果、法人成りにはまだ早かったとしても無駄足にはなりません

先述したように、法人成りのタイミングは個人事業主ごとに違います。

相談した税理士から「法人成りしてもあまり節税等の効果が出ない」という結果が出た場合は、どのような点で効果が出ないのか確認しましょう

売上が少ないのか、利益が少ないのか、法人と個人を分けて処理できる状態じゃないのか・・・、理由は様々だと思いますが、相談すれば法人成りするための条件は明らかになります!

条件を明らかにすることだけでも大きな一歩ですよね?

法人の経営では、個人事業とはまた違った世界が待っています。

より大きな飛躍を目指す個人事業主の皆様は、ぜひ一度法人成りをご検討ください!

 

住民税の「納期の特例」は納期限に注意

こんにちは!外注せずにご自身で経理を行いたい方をサポートする宝塚の会計事務所、「じぶんで経理」植田会計事務所です。

源泉所得税と同様、住民税にも天引きの制度があります

突然ですが、従業員の住民税について「特別徴収」を実施されていますか?
特別徴収とは、事業主(給与支払者)が従業員に給与を支払う際、給与から住民税を天引きし、納付する制度をいいます。
制度としては源泉所得税と似ていますね?
納期限が翌月10日という点も同じです。

しかし、源泉所得税は当月の給与総額から社会保険料を控除し、扶養人数に応じて税額が決まるのに対し、住民税の特別徴収はあからじめ市町が計算して税額が決まっている点が異なります。

なので、事業主としては毎月決められた税額を従業員の給与から天引きして納めるだけです。
通常はそれほど面倒な作業ではありません。

ところが、住民税を特別徴収している従業員が途中で退職するなど、従業員の「異動」が生じた場合はいちいち手続きを行わなければならないので手間がかかります。
特に1~4月に退職した場合の住民税一括徴収がネックですね。

手間がかかりますし、納付が遅れると罰則もあるので、住民税は従業員個人で納めてもらっている事業主の方も多いように感じます。
(天引きでなく、従業員個人が納める方式を「普通徴収」といいます)

平成30年度から特別徴収が徹底されます!

そんな住民税ですが、法律では特別徴収が原則です。
これまでは希望すれば普通徴収も認められて(?)いましたが、徴収強化が目的なのか、兵庫県と県内41の市町は平成30年度(平成30年4月~平成31年3月)から「個人住民税の特別徴収」を徹底することになっています。

普通徴収を選択できるケースが「5/31までの退職予定者」「住民税>給与手取額」「不定期給」「乙欄適用者」に限定されるなど、かなり強い感じで記載されています・・・。

※兵庫県「個人住民税特別徴収の事務手引き」より

「納期の特例」を選択すると納付は半年ごとの年2回になります

なるべく手間を省きたい方のために、源泉所得税と同様「納期の特例」を選択することもできます。
この納期の特例を申請して承認されれば、半年分の住民税をまとめて納付することができ、納付の手間が年12回から年2回に減らすことができます
従業員数が10人未満である個人事業主や小規模企業は、この納期の特例を申請すべきだと思いますが、納期限に注意が必要です。

住民税の方が源泉所得税よりも納期限が早い!

というのも「6~11月分」の納期限が12月10日、「12~5月分」の納期限が6月10日なのです。
お気付きでしょうか?
源泉所得税の納期限と微妙にズレていますよね?
※源泉所得税の納期の特例は「7~12月分」の納期限が1月20日、「1~6月分」の納期限が7月10日です。
源泉所得税の納期の特例よりも納期限が約1カ月早いので、その点ご注意ください。

なお、納期の特例承認を受けるための申請書は共通のものが兵庫県のHPからダウンロードできます。
兵庫県 納期特例申請書(エクセル)

また、宝塚市でも独自の申請書を用意していますが、窓口の方によりますと他市町の申請書を使用している場合でも受け付ける方針だそうなので、あえて取りに行く必要は無さそうです(※宝塚市の場合のみ口頭で確認しております。他の市町の取り扱いは不明なので必ずご自身でご確認ください)。
宝塚市 特別徴収市県民税納期の特例に関する承認の申請書

今まで普通徴収で続けてこられた事業主の方にとっては事務の手間が増えることになりますが、せめて納期の特例などを利用して事務を削減してください。
5月中旬までに申請すれば、6~11月分(納期限12月10日)の承認に間に合うとのことです。

なお、納付の遅れなどによるペナルティは事業主の方の負担となりますので、これからは源泉所得税と住民税は常にセットで発生するものと心掛けてみてください。

確定申告後にやっておくべき2つのこと

こんにちは!外注せずにご自身で経理を行いたい方をサポートする宝塚の会計事務所、「じぶんで経理」植田会計事務所です。

毎年のことですが、嵐のような確定申告がようやく終わりました〜!
資料が2月中はあまり集まらず、3月に集中したため、植田会計事務所の確定申告は実質的に2週間程度だったことになります・・・(汗)

ようやく終わってひと休憩、と行きたいところですが、その前にやることが2つあります。

1.どのような思考回路で判断したかのメモ

決算書や申告書を作成する際、必ず「判断」に悩む箇所が出てきます。

「この経費は月に20日は使用する車のものなので事業供用割合は66.6%、切りがいいところで70%としておくか・・・」とか「支払手数料には外注の経費を計上しているので、金額が小さい振込手数料は雑費に入れておこう」など、正解がないために「判断」をしなければならない場面です。

そのときは自分で合理的な判断をしたつもりですが、1年も経つと同じ状況でもまた違った判断をしてしまうことがあります。

年によって判断が異なるようでは、そもそもの判断が正しかったのか疑問になりますよね?
また、毎年同じ箇所で同じように悩むことは時間の無駄でもあります。

そんなことにならないように、判断の基礎となった思考回路をメモで残しておきましょう。
メモを作成することは面倒ですが、次回以降はメモを確認するだけで悩むことなく決算書の作成を進めることができます。

メモは手書きでも良いですし、パソコンのメモ帳に記録しておいても良いでしょう。

この思考回路のメモは記憶が新しいうちに作成しておかないと思い出せなくなります。

一言でも良いので、迷った箇所の判断について、思考回路のメモを残すようにしましょう。

2.次のイベントに向けた自分へのメッセージ

確定申告後、次に来るイベントの自分に対するメッセージです。

例えば今年は所得が減ると分かっている場合は、カレンダーやパソコンのディスプレイなど目につく所に「7/1予定納税の減額申請準備、7/15期限」とメモを残しておきます。

今年から消費税の課税事業者になる場合は確定申告のファイルなどに「期首の棚卸資産の消費税は控除できるので忘れないように!」とメモを貼っておきます。

確定申告が終わった直後は「この後◯カ月後に重要な届出を出さないといけないな!絶対忘れないぞ!」と思っていても、しばらく確定申告関係の作業から遠ざかるとスコーン!と忘れてしまうものです。

特に、私のように自分の記憶力を疑っている方は確定申告時の記憶が残っているうちに「自分へのメッセージ」を残してみてください。
きっと「あのときの自分、よくやった!」と思うことがあるはずです。

ふるさと納税の明細は1件ずつ記載しないといけないの?

こんにちは!外注せずにご自身で経理を行いたい方をサポートする宝塚の会計事務所、「じぶんで経理」植田会計事務所です。

先日、確定申告相談会に従事した記事を投稿しましたが、その相談会で今年も多かったのが「ふるさと納税」です。

ご存知、ふるさと納税は県や市の地方自治体に行う寄付をいい、寄付をすると大抵の場合「お礼の品」がもらえます。

また、限度額はありますが寄付した金額から2,000円を超える部分が所得から控除されるので、上手くやれば2,000円の負担で各地の名産品をもらうことができるのです。

私もふるさと納税は行なっていますし、お客様にも「絶対に得」なのでおすすめしています。

ふるさと納税は明細の入力が手間でした

そんなふるさと納税ですが、確定申告の際は少し手間がかかります。
というのも、WEB版E- taxなど電子申告を行う際は1回の寄付ごとに寄付先の「名称」「所在地」「寄付した日」「金額」など最大6項目を入力しなければならないのです。 だいたい皆さん1万円の寄付を3〜10件されているので、入力だけで結構な時間がかかります。
国税庁:寄付金控除の入力編(P3参照)

WEB版E- taxは寄付先の自治体を選択すると自動的に所在地も出てきますが、植田会計事務所が使用する税務ソフトでは出てこないので全部手打ちなんですよね・・・。

そんなわけでふるさと納税はおすすめだけど手間がかかると思いながら冒頭の確定申告相談会に従事していると、税務署の方から「ふるさと納税の件数が多い場合は合計額の入力で結構です」との話が出るではないですか!

「なんでい!なんでい!相談会だけ特別扱いなのかい!?」なんて思いながら「もしや?」と調べてみると・・・、ありました!

寄付先はまとめて入力OKです!

国税庁:寄付の件数が多い場合(おおむね3件以上)の入力について

ふるさと納税以外の寄付がある場合は注意しなければいけませんが、3件以上寄付先があるときはまとめてもOKとなっています。

リンク先にもあるように、まとめるときはどれか1件の寄付先を入力し、名称と所在地の最後に「ほか」とつけて、金額は合計額を入力するだけです。

先ほども述べましたが、ふるさと納税される方はだいたい3件以上されています。
なので、ほとんどの方は記載をまとめることができるようになりました!
これで今年も心置きなくふるさと納税をおすすめできます。