「認定支援機関」カテゴリーアーカイブ

【77】一時支援金 「外出自粛等の影響を受けている事業者」の判断について

【重要】一時支援金の申請について、支給対象になるかどうかは必ず事務局に問い合わせる等して、ご自身の判断により行ってください。下記の投稿記事は弊所の考えを述べているものであり、確定したものではありません。

2021年1月の緊急事態宣言の影響により売上が減少した事業者に対して支給される 一時支援金 について、申請期限(5/31)が迫っていますが、給付対象をめぐっては色々な情報が飛び交っているようです。

飲食店だと自らが支給対象か判断しやすいのですが、もう一方の対象である「外出自粛等の影響を受けている事業者」の判断が難しい・・・。

前回の投稿 【76】中小法人等のための「一時支援金」事前確認について 以来事前確認のご依頼も多いのですが、その中でもご質問が多い、外出自粛等の影響を受けている事業者について取り上げます。

1.消費者との直接取引だけでなく、間接取引の事業者も対象になる

消費者(個人)と直接取引している事業者でないと対象にならないと思いこんでいて、申請しないつもりだった方もいました。

消費者←事業者

という取引の流れだけでなく、

消費者←事業者1←事業者2

のような、消費者に商品・サービスを提供している事業者1に商品・サービスを提供する事業者2も対象です。

2.事業者の所在地が緊急事態宣言地域にある必要はない

また、消費者が緊急事態宣言地域に所在していることが前提なので、事業者が緊急事態宣言の地域外に所在していても対象となり得ます。

例えば、

・消費者(大阪府)
・事業者(奈良県)

という場合ですね。

この場合は大阪府の消費者と継続して取引していることが分かる顧客台帳等が必要になります。

3.消費者は緊急事態宣言地域の人である必要がある

逆に、いくら事業者が緊急事態宣言地域に所在していても、消費者が緊急事態宣言の地域外の人である場合は対象となりません。

例えば、

・消費者(奈良県)
・事業者(大阪府)

という場合です。

判断が難しいのが、

消費者←事業者1←事業者2

という取引の流れで、

・消費者(奈良県)
・事業者1(大阪府)
・事業者2(兵庫県)

という場合に事業者2が対象となるのかどうかです。

経済産業省のHPに記載されている「緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金の詳細について」(事前確認の際、必ずよく読んでおくように言われるアレです)を見る限りは対象とならないように読めるのですが、心情的には事業者2が得意先である事業者1に「おたくの商売の顧客は大阪府の個人がほとんどですか?それとも奈良県や他の都道府県ですか?」なんて聞きにくいので、事業者2が判断できないケースも出てくるのでは・・・?


※「緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金の詳細について」より
この図から判断すると、すべての取引の最終消費者は宣言地域内にいる必要がありますよね・・・?

【2021.5.28追記】
上記の件について事務局に確認したところ、事業者2は事業者1が宣言地域内にあれば対象になるとのことでした。
ただし、事業者1の販売先である消費者は宣言地域内の個人顧客である必要があります。

【2021.5.28追記】
また、オンラインショップなど通販による売上がメインの場合は、二段階の判定を行います。
①通販による売上の減少が、宣言地域内の消費者だけで50%以上であること
かつ
②事業全体の対象月の売上が前年同月比で50%以上減少していること

※通販なのに宣言の影響を受けて売上が減少するのか?という疑問もあるようですが、例えば扱うアイテムが化粧品だった場合、化粧品は外出自粛により売上が減少しています。
通販だからといって宣言の影響を受けないことはありません。

ちなみに、インバウンド事業者はどうでしょうか?
インバウンドなので消費者は海外からやってくる旅行者です。
海外からやってくる旅行者は全員、緊急事態宣言地域の外にいる人たちであるため、売上の減少要因がインバウンド事業の不振による場合は、やはり対象になりません。
※事務局もインバウンド業者が多数申請していることは把握しているそうですが・・・、後々問題になるのでしょうか?(^_^;)

4.建設業は対象にならない?

建設業は他の業種と異なり、受注してから完成・引渡しまで一定の期間を要することが多い業種です。

そのため緊急事態宣言の影響が即座に出るわけではなく、2021年1月に出た宣言の影響は数カ月~1年後に出ることになります。

そうすると対象にならないのでは?とも考えられますが、2021年1~3月に完成・引渡しを行うはずが、宣言の影響で完成が遅れて引渡しが4月以降にずれた場合などは対象になり得るはずです。

5.2020年からずっと休業中・売上減少の場合は?

2021年1月の緊急事態宣言ではなく、2020年1月の新型コロナウイルス感染拡大からずっと休業中、または、売上が減少している事業者も多いと思います。
特に旅行業の方ですね。

この場合も、厳密に言うと売上の減少は2021年1月の緊急事態宣言の影響というよりは、「コロナの影響が続いているため」といった方が正しいため、対象にならないと考える方もいるようです。

しかし、この場合は個人的な意見になりますが、対象となるはずです。
大本の影響はコロナですが、コロナによって緊急事態宣言が発令され、外出が自粛等されることにより「引き続き」売上が減少していると考えられるからです。

最後に 自分が対象かどうか分からない場合は?

世の中には様々な事業が存在するため、一概に「この業種はだめ」とは言えません。
※対象外と明記している業種はありますが・・・。

植田会計事務所でも「この企業は対象になるのか?」と悩むケースは少なくありません。
対象となるかどうか、売上がどのように発生しているのか調べてみて、明らかに緊急事態宣言の影響を受けていない場合は申請すると不正受給になってしまうためそのように説明しますが、判断が難しい場合は「とりあえず申請」することをお勧めしております。

費用はかかったとしても、申請しなければ「本来受給できたはずなのに自ら権利を放棄してしまった」ことになりかねません。

いくつかのケースで事務局へ問い合わせを行っていますが、事務局の回答も「迷ったらとりあえず申請してください」となることが多いです。
※事務局の方針を確認したわけではありません。

実は、上記で対象外としたインバウンド「も」やっている事業者や建設業の事業者のケースでも、少しでも「対象になるのではないか?」と引っかかる場合はとりあえず申請しているケースがあります。

緊急事態宣言の影響を受けていないことが明らかなのに「受けている」と偽ったり、帳簿等を偽造等したりしない限り、「やましい気持ちがない」のであれば申請をためらう必要はないでしょう。
※それでも受給資格が無いと事務局から判定された場合は、申請を取り止め、または、受給した支援金を返還する必要があります。

迷った場合は、事業者はありのままの実態で申請を行い、受給の可否は事務局の審査に任せるべきでしょう。

【76】中小法人等のための「一時支援金」事前確認について

現在、中小法人・個人事業者のための一時支援金(この記事では以下「一時支援金」といいます)の申請受付が開始されておりますが、植田会計事務所は一時支援金の登録確認機関となりましたので、申請される方の事前確認を行っております。
※登録確認機関は、宣誓内容が正しいかなど、申請希望者が給付対象であるかの判断・確認は行いませんので予めご了承ください。
※給付対象に関するお問い合わせは一時支援金事務局の相談窓口までお問い合わせください。
一時支援金事務局HP(トップページをスクロールしていくと末尾に相談窓口の電話番号が記載されています):https://ichijishienkin.go.jp/

趣旨と要件をよくご確認ください

今回の一時支援金は、①2021年1月に発令された緊急事態宣言に伴う②「飲食店の時短営業」または③「不要不急の外出・移動の自粛」により、特に大きな影響を受け、④売上が大きく減少している中小法人及び個人事業者に対して、緊急事態宣言の影響が特に大きい⑤2021年1月から3月までの期間における影響を緩和して、⑥事業の継続を支援するために給付することを目的としています。

申請を検討される方は経済産業省のHPに掲載されている「緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金の詳細について」と「緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金の詳細についての補足Q&A」を必ず読んで今回の一時支援金の趣旨をご理解いただき、ご自身が給付の要件に該当するかご検討ください。
※経済産業省HP:緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金の詳細について緊急事態宣言の影響緩和に係る一時支援金の詳細についての補足Q&A

事前確認は身近な登録確認機関が推奨されています

登録確認機関となっている税理士事務所のお客様、商工会議所などの会員、銀行などからの事業性融資等借入をされている方であれば、事前確認の項目のうち帳簿書類等の確認が省略でき、電話での質疑応答のみでの対応が可能です。

そのため、一時支援金事務局では身近な登録確認機関に事前確認を依頼することを推奨していますので、まずはそちらをご検討ください。

植田会計事務所での事前確認について

植田会計事務所では申告をご依頼いただいているお客様以外からもご要望があれば事前確認を行いますが、事前確認の手数料として1件11,000円(消費税込)を請求させていただきます。

この手数料は事前確認通知番号を発行した場合、一時支援金を受給できるかどうかにかかわらず請求させていただくものなので、予めご了承ください。
事前通知番号発行後、7日以内に銀行振込の方法によりお支払いください。
※国からの事務手数料は辞退する方針です。

事前確認をご希望の場合は植田会計事務所まで「一時支援金の事前確認」ご依頼の旨を記載されたメールをお送りください。
植田会計事務所メールアドレス:ueda@uedatax.com
追って事前確認の日程等についてご連絡差し上げます。

なお、事前確認の方法は

①ZOOM等を使用したTV会議
②来所していただいて面談

のいずれかの方法とさせていただきます。

【73】固定資産税等の減免、申告は2月1日まで

新型コロナウイルス感染症とそのまん延防止のための措置の影響により収入が減少した場合、令和3年度の固定資産税等(固定資産税+都市計画税)が減免されます!

 

適用されるためには、

①中小企業者、小規模事業者であること

②固定資産税等が課される事業用家屋や償却資産を所有していること

③2020年2〜10月の間の連続する3カ月間の収入が前年同期間比で30〜50%減少していること

④減免を受けるためには2021年2月1日までに申告すること

⑤事業用家屋については認定支援機関等の確認を受けること

が必要です。

 

減免される割合は、

A.収入の減少が30〜50%未満の場合・・・1/2

B.収入の減少が50%以上の場合・・・全額

となっています。

 

期限が来年2月1日までとタイトなこともあり、毎年確定申告期限ギリギリで集計されている方や税理士に年一で記帳代行を依頼している方はあらかじめ売り上げだけでも集計しておき、申告が遅れないよう注意が必要です!

 

収入減少を判定する期間が2〜10月になっているので、今すぐ集計すれば自分が減免の対象となるかどうか分かるはずです。

白色申告で月ごとに売り上げなんて集計していないよ!という方も、今すぐ2020年と2019年の売上高を集計してみましょう。

 

おそらく期限後申告の救済措置は無いと思われます・・・(^_^;)

 

また、内装設備や機械装置などの償却資産は一覧に記載するだけで提出先の市町村が対象資産かどうか判定しますが、事業用家屋(自社で所有する建物、工場、倉庫など)は認定支援機関等による確認が必要になります。

この、認定支援機関等による確認を税理士へ依頼する場合、通常は手数料が発生しますのでご注意ください。

57 中小企業再生支援セミナー参加で改めて思う税理士の役割

こんにちは!外注せずにご自身で経理を行いたい方をサポートする宝塚の会計事務所、「じぶんで経理」植田会計事務所です。

企業再生の「ホンネ」を聞きにセミナーに参加しました

世の中の税理士事務所がすっかり確定申告モードになっている2月後半、植田会計事務所はあえて中小企業再生支援協議会が主催する中小企業再生支援セミナーに参加しました。

久しぶりに参加する認定支援機関としてのセミナー・・・。
目的は中小企業支援を実行されている方のパネルディスカッションです。
というのも、どうしても個人では認定支援機関の情報が不足しがちになるんですよね〜。
公的な情報は、当然中小企業庁のHPなどを見れば分かるのです。
しかし、本当に知りたい情報って、あまりおおっぴらに発信しにくいものが多いような気がします(^^;)
そこで、セミナーで行われるパネルディスカッションなら多少の本音が交わされるのではないかと期待しての参加です。

経験者の語る言葉は重みが違いました・・・

期待していたパネルディスカッションではありませんが、基調講演として話された弁護士N先生のお話はとても心に響きました。
特段新しいことを話されていたわけではありませんが、数多くの中小企業再生案件に携われた先生の言葉は、その重みが違うように感じられます。
また、税理士は中小企業に対しもっと積極的に関与していくよう提言されており、中小企業の支援にはやはり税理士の役割が重要なのだと再確認できました。

パネルディスカッションは期待と違う方向へ・・・

さて、肝心のパネルディスカッションは弁護士の先生、某地方銀行の執行役員、大手会計ベンダーの会長、そして中小企業再生協議会顧問の4人で行われます。
個人的には某地方銀行の執行役員の方のお話に興味があったのですが、そこまで突っ込んだ内容は話されませんでした。
逆に税理士でもある大手会計ベンダーの会長は「おいおい、そんなこと言っちゃって大丈夫かい?」的な発言が多く、なんだか税理士の印象が悪くなったような気が・・・(^_^;)
自社のアピールも凄かったです・・・)

税理士に求められる役割は「静」から「動」へ

結果としてあまり有用な発言が出てくることはなく、期待していた収穫はありませんでした。
しかし、税理士に求められる役割が「静」から「動」へ、「顧客が来るのを待つ専門家」から「積極的にサポートを提供する専門家」へ変わりつつあることは確かです。

植田会計事務所が従来から行ってきた「決算予想」と「キャッシュフロー予想」の情報提供は、まさにこの「積極的にサポートを提供する専門家」がとるべきサービスと考えております。
これからも中小企業は当然とし、個人事業主、小規模企業の経営を「積極的に」サポートできる事務所であろうと改めて思う、今回のセミナーでした。

早期経営改善計画の推進に水を差す不正行為・・・

こんにちは!外注せずにご自身で経理を行いたい方をサポートする宝塚の会計事務所、「じぶんで経理」植田会計事務所です。

早期経営改善計画をご存じですか?


最近、
早期経営改善計画策定支援事業に関するセミナーのFAXが頻繁に届きます。
今まで「早期」の付かない経営改善計画の策定支援事業は行ったことがありますが、早期経営改善計画は未経験なんですよね・・・(^_^;)

名前は似ていますが早期経営改善計画と経営改善計画の違いは「金融支援の有無」にあります。

私が行ってきた経営改善計画は、借入を行っている金融機関から返済条件を緩和してもらうこと(リスケ)などを目的として作成されるものです。

これに対し早期経営改善計画は金融支援を目的とせず、自社の経営課題や資金繰りなどを把握し、問題があれば早期に対応できるようになること(現状把握)を目的とします。

どちらも策定する際に税理士など認定支援機関のサポートを受けることができ、それにかかる費用の2/3を国が補助してくれます。
なお補助の上限は経営改善計画が200万円早期経営改善計画が20万円となっています。

経営改善計画は外科手術、早期経営改善計画は予防運動

どちらが重要というわけでもありませんが、私としては早期経営改善計画を策定することをお勧めしています
というのも、個人事業主・小規模企業はもともと資金力や人的資源が少ないなか事業を行っています。
そのような状況で大事なことは事業継続が困難となるような危機的状況を起こさないことです。

ある程度の規模の中小企業や大企業なら1~2度の失敗でも危機的状況には陥りません。
しかし、個人事業主や小規模企業にとってはたった1度の失敗が即危機的状況と成り得ます
経営改善計画はそんな危機的状況を打開するために策定する外科手術的なものであり、内容も金融機関を納得させられるだけの完成度とスピードが求められます。

これに対し早期経営改善計画はその名のとおり、早い段階で自社の現状を把握し、将来の危機を予見して回避するための予防運動です。
作成した早期経営改善計画は金融機関にも提出し、情報を共有することができます。
今まで決算書しかやり取りする機会を持たなかった金融機関に自社の現状や将来の展望、課題を報告し、アドバイスをもらえるきっかけともなります。

個人事業主・小規模企業をサポートする植田会計事務所が早期経営改善計画をお勧めする理由はここにあります。
・・・未経験で偉そうにお話ししても説得力がないので、これからはもっとお客様に早期経営改善計画を推進するよう努力します!

恐れていた認定支援機関による補助金不正受給・・・

そんな早期経営改善計画ですが、先日ガッカリするニュースがありました。

2018年6月22日、経済産業省は早期経営改善計画策定支援事業による補助金を不正に受給したとして九州の税理士に対し、補助金交付等停止措置を行いました。

日本税理士会からもコメントが出ています。

認定支援機関による計画策定事業の報酬は、
1.依頼者が認定支援機関に費用の1/3を支払い
2.認定支援機関が国(支援センター)に残りの2/3を請求
3.国から認定支援機関に費用の2/3が支払われる
という流れで行われます。

先述したとおり、この早期経営改善計画策定支援事業は「認定支援機関に支払う費用の一部を国が補助するもの」であり、計画策定を支援される依頼者がまず費用の一部を負担することが絶対条件です。

国が全額負担してしまうと、依頼者も「どうせタダだし〜」と真剣に取り組まない可能性も考えられます。
いわば依頼者の「覚悟」「決意」を示してもらうため、全額負担にはしていないと私は考えています。

ところで、認定支援機関が国に費用の補助を申請する際は依頼者に交付する領収書のコピーを添付する必要があるのですが、受け取っていない費用の領収書を発行していたということでしょうか?
それとも毎月の顧問料の一部を計画策定事業の報酬としていたのでしょうか?(これは明確に禁止されていますよね・・・)

いずれにせよ、補助金・助成金といった「もらえるお金」の申請はかなり慎重に行う必要があります
「もらった」その後も会計検査院はその補助金等の支給が適切だったかチェックを行っています。

最近は「あなたも補助金がもらえます」「簡単に助成金を申請できます」といった補助金ビジネスが流行っているようですが、実際にはそんなに甘いものではないということをお客様だけでなく我々認定支援機関も肝に銘じておく必要があります。

個人事業主に必要な所得金額はいくらなのか?

こんにちは!外注せずにご自身で経理を行いたい方をサポートする宝塚の会計事務所、「じぶんで経理」植田会計事務所です。

個人事業主が一年間に使える金額を把握していますか?

もうすぐゴールデンウィークが始まります!
家族で旅行を計画されている方も多いのでは?
普段がんばって働かれている分、こういうときはパーッと楽しみリフレッシュしましょう!

ところで、確かに旅行などでリフレッシュすることは大切ですが、ゴールデンウィークなどのシーズンはどこも料金が高くなっていますよね?
個人事業主は月々の給与が決まっているわけではないので、自分がどの程度まで生活レベルを上げられるのか分かりにくく、「うちは金額を気にせず旅行へ行ける状態なのかな?」と心配になることもあるでしょう。

それでは、このようなスポットの出費も含めると、個人事業主に必要な一年間の「所得金額」は一体いくらになるのでしょうか?
調べてみましょう!

確定申告書や家計簿を用意しましょう

1.事業にかかる支出
まずは事業にかかる支出を調べます。
2〜3年分の確定申告書を用意し、青色決算書を見てみましょう。
一般の事業ならば「売上原価」の仕入金額(3)「経費」の計の行(32)を足したものが一年間に支払った金額になります。
もし、減価償却費(18)の金額が大きいときは、そこから減価償却費を引きましょう。

2.家計にかかる金額
次いで、家計を調べます。
家計簿ソフトなどで家計がわかる方はその支出額を、そうでない方は大体で良いので一年間にかかっていると思われる金額を出します。

画像は以前ご紹介したマネーフォワードの家計簿アプリです。
この場合は「支出」の金額を12カ月分足すか、ざっくり12倍して一年間の金額を出します。

3.所得税と住民税
上記家計簿に所得税と住民税が入力されていない場合はまだ続きます。
直近の確定申告書から所得税の年税額を調べます。
申告書Bの場合は(42)の金額が該当します。

最後に住民税(道府県民税と市区町村税)を調べます。
住民税は直近で送られてきた納税通知書の「合計年税額」を調べます。
※画像は宝塚市の納税通知書です。

4.その他
他に忘れている支出はありませんか?
例えば車検代は新車は3年目、それ以降は2年に1回発生する支出なので、新車の初回以外は前回の金額を1/2したものを計算しておきましょう。
住宅ローンのボーナス時返済額も忘れずに。

1~4の金額を合算
これまで調べた事業・家計・税金・その他を合算したものが個人事業主が一年間に必要な金額になります。
かなり大雑把な計算ですが、この金額と同額の所得金額があればお金は回せるということです。
必要な所得金額が分かれば、必要な売上も大体分かりますよね?

スポットの支出は外さない

この計算のポイントは「スポットの支出を外さない」ということです。
「スポットの支出が入ると正常な支出金額が分からない」と思われるかもしれませんが、スポットの支出がない年なんてあるのでしょうか?
ほぼ毎年何かしら予想外の支出があると思います。
なので、そういった支出も含めて計算した方が、より現実的な所得金額を求められます。

「必要な所得金額に足らない!」という方は、まずはその金額を目指して売上を伸ばすか、事業や家計の削減できそうな支出を減らしましょう。

計算の仕方が分からない!という方はお気軽に植田会計事務所までご相談ください。
事業も家計も、お金が回るようにサポートさせていただきます。

借入の返済を止めてみませんか?②

こんにちは!外注せずにご自身で経理を行いたい方をサポートする宝塚の会計事務所、「じぶんで経理」植田会計事務所です。

前回「借入の返済を止めてみませんか?①」の続きです。

費用についても補助が出ます

さて、気になる支援の費用ですが、総額の⅔を国が補助してくれます。
例えば毎月の借入返済が10万円、計画策定費用が30万円の場合、その月の返済資金10万円を計画策定費用にまわすだけで、残り20万円は国が補助して支払ってくれます。
そして、その月から借入の返済は止めることもできるのです。

計画を策定する企業の大きさにもよりますが、総額で45万円、ご相談者の負担15万円というケースが多いように感じます。

また「モニタリング」とは、策定した経営改善計画が承認された後、定期的に行われる金融機関への報告のことです。
この経営改善計画策定支援事業の肝は、如何に計画を実行し、その進捗を金融機関に報告できるかなので、モニタリングは必ず行わなければなりません。

モニタリングは3カ月ごとや半年ごとに行います。
金融機関を集めて行う場合や訪問して行う場合、書類を郵送して行う場合があります。
植田会計事務所では金融機関を集めて行うモニタリングを推奨しております。

モニタリングの費用も⅔は国から補助が出るので、相談される方の負担はかなり低くなっております。
私が冒頭に述べた「モニタリング費用の請求」とは、この補助を受けるための請求になります。
モニタリングの費用は、1回につき総額3万円、ご相談者の負担は1万円前後が多いように感じます。

対策は早めに手を打たないと手遅れになります

国は認定経営革新等支援機関というサポート機関を設置しましたが、ご相談に来られてもすでに手遅れとなっているケースもあります。
特に、社会保険料や税金といった公租公課の滞納が生じていると、改善が困難になります。
自社の苦況を相談することに抵抗を感じることはあるでしょうが、ギリギリまで粘ることは絶対にやめてください。
最悪の場合、計画策定の費用どころか、破産の費用も出せなくなる方もおられます。

もし、経営改善計画の策定に興味を持たれたり、資金繰りや経営に不安を感じられている方は、植田会計事務所にご相談ください。
どんな問題でも、1人で悩まれるよりは専門家を交えて話し合った方が解決の糸口が見つかりやすくなります。
植田会計事務所では経営改善に関する初回のご相談は無料で承っております。

借入の返済を止めてみませんか?①

こんにちは!外注せずにご自身で経理を行いたい方をサポートする宝塚の会計事務所、「じぶんで経理」植田会計事務所です。

先日はポートアイランドにある「兵庫県経営改善支援センター」へ、経営改善計画策定支援事業のモニタリング費用を請求しに行ってきました。

センターへは三宮からポートライナーで向かったのですが、坂を登り始めたところでポートライナーが停止します。
「時間調整かな?」と思った次の瞬間、ズルズルと後ろへ下がるではないですか!
幸い、すぐにブレーキがかかり、ポートライナーは停車。
10分程で駅員さんが駆けつけ、次の駅で全員乗り換えることに・・・。
車両故障とアナウンスされていましたが、こんなこともあるもんですね〜。

ポートライナーのような機械は定期的にメンテナンスを行なっているはずですが、それでも上記のような故障は発生してしまいます。
経営に関しても同様で、どれだけ慎重に行なっていても、また、どれだけ今までの勝ちパターンを続けていても、上手く利益が出なくなるときがあります。

利益が出ない場合の対策

上手く利益が出なくなると、当然資金繰りが苦しくなります。
金融機関からの借入がある場合、その返済原資が作れないこともあるでしょう。
これが一時的なものと「確信」できるなら、すぐにお付き合いのある金融機関に事情を説明し、運転資金を融資していただくか、短期の返済猶予を依頼しましょう。
一方、利益が出なくなる原因が一時的なものでない場合や、そもそも原因が不明である場合は、根本的な対策が必要になります。

まずは原因を解明し、対策が打つまで時間が必要です。
その間、これ以上資金が流出しないように金融機関への返済を止めましょう。
ただし、何の資料もなく「返済を止めてください」といっても金融機関は受け付けてくれません。
最低限、これ以上返済を続けると資金ショートを起こすことが分かる「資金繰り表」は用意すべきです。

そして、利益が出なくなった原因を解明し、対策を記載した「経営改善計画」を策定する旨を金融機関へ伝えます。
経営改善計画を策定することで、単に返済を止めるのではなく、現状から脱却して借入を返済していく決意を見せることが重要なのです。

経営改善計画策定支援は国が推進する事業です

しかし、今まで経営計画や資金繰りを作った経験がない方が、上記の手続をとることは困難である場合がほとんどです。

そこで、国もそうした方を対象に支援制度を設けています。
企業が苦況に陥った場合等に様々なサポートが出来ると国が認定した「認定経営革新等支援機関」に相談すれば、一緒になって金融機関に対応し、計画の策定からその後のモニタリング活動まで行なってくれます。
税理士の多くは認定経営革新等支援機関として活動しているため、お付き合いのある税理士がいれば認定経営革新等支援機関か確認し、相談してみるのも良いでしょう。

もちろん植田会計事務所も認定経営革新等支援機関として登録されています。
実際に、ご相談いただいた方と共に金融機関へ出向き、返済を止め、経営改善計画策定の支援も行なっています。

長くなったので、②に続きます。